2019.05.21
マニフェストの作成は、廃棄物担当者様にとって最も面倒な作業の一つではないでしょうか?記入するところも多く、もし記載ミスがあれば、些細なことでも違反になってしまう…と思うと神経を使ってしまいますよね??
紙マニフェストの実務で「実は気になっていたんですけど・・・」とよく質問をいただくのが、「紙マニフェストの交付担当者氏名欄への押印は、すべての票に必要なの?罰せられるの?」という質問です。
マニフェストの交付者氏名欄への押印について、正直、面倒に思われている方が多いのではないでしょうか?紙マニフェストは7枚綴りになっており、記入する項目も多くあります。マニフェスト自体は複写式なのでほとんどの項目は一度書けば済みます。ただし、交付担当者の印だけは複写というわけにはいきません・・・。
7枚すべてに印鑑を押すという作業は、確かに面倒です。
「とりあえず、すべてのマニフェストに押印しているけど、そもそも押印は必要なの?」
今回はそんな疑問にお答えしたいと思います。
押印は法的に必要?
結論から申し上げますと、氏名の署名のみで交付が可能です。
そもそも、マニフェストに書かなければいけない項目はどのようなものがあるのでしょうか?
マニフェストのA票には以下の法定記載事項を記入する必要があります。
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)より
②管理票の交付を担当した者の氏名とあります。これはフルネームで書くということになります。では、印についてはどうでしょうか?特に言及されていません。ということは、押印は必要ないのでしょうか?
実は、押印に関しての法的な決まりはありません。
つまり、押印がされていなかったために罰則の対象となることはありません。
なぜ押印欄がある?
「では、どうして押印欄があるの?」と疑問に思いませんか?
このマニフェストの交付担当者氏名欄の印は、おそらくマニフェストを製造・販売している業者が、「法的な決まりはないけれど印もあった方が、より丁寧に見えるのでは?」と付け加えているだけと考えられます。
弊社では、このように法定記載事項ではないのに存在している欄を、「おせっかい項目」と呼んでおります。
実際に紙マニフェストを製造している業者によっては、交付担当者氏名欄に押印欄がない紙マニフェストもあります。
面倒だった紙マニフェストへの押印が、実は法定記載事項でではなく、マニフェストを製造・販売している業者による「おせっかい項目」ということに驚いた方も多いのではないでしょうか?
法定記載事項ではないが、項目として存在している「おせっかい項目」。これを上手く省略していくことで業務が楽になります。
契約書のひな型にも記載不要な項目があるかも・・・。
実は、おせっかい項目はマニフェストだけではなく契約書など、使用するひな型がある書類全般に潜んでいる可能性があります。
隠されている意外な「おせっかい項目」を見つけるためには、法定記載事項とひな型を見比べる必要があります。
一見面倒な作業ですが、おせっかい項目に気づくことで思わぬ業務効率化や記載ミスをなくすことに繋がります。
皆さんも一度、自社の契約書のひな型など、確認してみてはいかがでしょうか?