マニフェストは廃棄物処理に関わる書類の中でも、発行頻度が非常に高いため、特に注意が必要です。
排出の都度、ミスがないようにマニフェストを発行するよう取り組まれているかと思います。
しかし、もしミスが起こってしまったらどんな対応が適切かご存知でしょうか?
今回はマニフェストの記載ミスがあったケースをご紹介します。
マニフェストの修正は違反?
そもそも、マニフェストを交付後に修正する行為は問題ないのでしょうか?
いくらミスを修正するためとはいえ、後から記載内容を変更することは、何らかの罰則対象になるのでは?と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
結論としては、交付後の修正は罰則の対象にはなりません。
そのため、マニフェストの記載ミスは手書き修正で対応されることが一般的であり、問題ないと考えられます。
しかし、ただ修正すればいいというわけではありません。
罰則は無いものの、公式に認められた手順があるわけではありません。そのため、対応方法は各事業者でバラツキがあります。自己流で行っていたために、不十分・不適切な対応になってしまう可能性もあります。
紛失した時の対応方法
では、実際はどのように対処すればいいのでしょうか?
記載ミスが発覚した時の対処法として、弊社では以下の対応をお勧めしています。
まず、A~E票に矛盾が生じないように修正することです。
A票記載事項に誤りがあった場合、7枚全てに複写されている為、一部を修正しても矛盾が生じてしまいます。 排出事業者保管分であるA票、B2票、D票、E票はもちろんですが、運搬業者、処分業者それぞれの保管分も同様に修正する必要があります。 具体的には、各社に連絡をして「〇〇の部分を手書きで修正しますので、御社保管分も同様に修正をお願いします」と依頼します。 適切に修正してもらえれば電話でもOKですが、もし不安であればFAXやメールなど、依頼した記録が残る形式で通知しましょう。 文書で通知した場合は、該当のマニフェストと一緒にコピーをファイリングしておきます。
万が一、委託先が修正せず、行政などの立ち入りで記載ミスが発覚した場合、排出事業者にも調査が入る可能性があります。その際、依頼をした証明があることで、自社が適切な管理を働きかけていたことをアピールできます。
また、重要なのは発覚したらすぐに対応するという点です。
修正をせずに、間違った内容を放置してしまうと、万が一、発覚した際に「虚偽記載」とみなされてしまう可能性があります。
「知らなかった。気づかなかった。」では済まされないため、もしもに備えて対応法を知っておくことが大事です。
記載ミスがあってもやってはいけないこと
マニフェストの記載ミスが発覚した時に、そのままにしておくことはもちろんNGです。
もう一つ、やってはいけないこととして、正しい内容を記載したマニフェストを再交付することです。
再交付を行っていけない理由としては、マニフェストは本来、廃棄物の排出時に交付されるものであって、後日の交付は認められていないからです。
また、誤ったマニフェストを破棄することは「保存義務違反」になってしまいます。
電子マニフェストの場合は?
電子マニフェストの登録内容にミスがあった場合は、JWNETのシステム上で修正の操作を行えば交付内容の修正を行うことができます。
ちなみに、運搬業者や処分業者が終了報告を完了した後に修正をした場合は、システム上で各社の承認が必要です。紙マニフェストにおいて各社保管分修正する作業の代わりに、「承認」して各社が変更内容に合意した記録を残します。
>>JWNETの詳しい操作手順はこちら<<
システム上で公式な手順により修正し、それが認められていることが分かります。
通常の登録だけでなく、ミスの修正なども紙に比べて効率的に行えるというのは、嬉しいメリットですね。
今回は、マニフェストの記載ミスという観点でしたが、その他の点でも電子マニフェストにすることで多くのメリットがあります。
電子化によって、効率的にリスクを押さえることも検討されてはいかがでしょうか?