2020.05.18
委託料金の単価変更や品目追加、予定数量の変更などに伴って「覚書」を交わすことがあると思います。
これらの「覚書」は、いずれも委託料金の合計金額が変更になる覚書です。
皆さんは、この覚書に貼付する印紙額をどのように計算していますか?
実は書き方によって、印紙額が多くも少なくもなるのです。
印紙額が高くなってしまう書き方
印紙額が高くなってしまう書き方は、「変更後の金額のみ記載する」です。
・委託料金を¥25/kgに変更する
このような書き方ですね。
これでは、変更前の金額が書かれていないので、差額が分かりません。
国税庁HPを見ると、下記の記載があります。
(例) 当初の売買金額を90万円に変更すると記載した文書 → 記載金額は90万円
この場合、90万円全額に対して課税されます。
80万円を90万円に増額する契約であっても、90万円の扱いになってしまうわけですね。
印紙額が抑えられる書き方
どうすれば印紙額が高くなってしまうことを防げるのかというと、方法は簡単です。
「差額が分かる書き方」にすれば良いのです。
再度、国税庁HPの例を御覧ください。
(例) 当初の売買金額90万円を110万円とすると記載した文書、あるいは、当初の売買金額90万円を20万円増額すると
記載した文書 → 記載金額は20万円
このように、「覚書」のみで差額がわかるように書いておけば、課税対象は差額分のみになるので印紙額が抑えられる可能性があります。ちなみに、減額する場合は金額記載のないものとみなされます。
印紙税の仕組みを理解して適切な表記方法を
このように、印紙税の仕組みを理解して適切な表記方法にしておくことで、不必要に高い印紙を貼付することを防げます。
また、ルールをしっかり把握していないと、必要な金額よりも低い金額で印紙を貼付してしまう可能性があります。この場合、税務署などに発見された際には、過怠税として通常の3倍の金額が課されることになります。
ルールを適切に把握することで、税額もリスクも抑えられるというのは良いことづくめですね。
印紙税のルールは少々ややこしい部分もありますが、しっかりと確認して貼付しましょう。
参考:国税庁HP