2020.06.25
前回は、安易にSDGsへの取り組みを紹介することで、上辺だけの対応「SDGsウォッシュ」とみなされてしまうリスクを紹介しました。コラム「SDGsウォッシュのリスクとは?【シリーズSDGs-4】」参照
では、どうすればウォッシュと言われずに、真っ当なSDGs活動ができるのでしょうか?
2030を徹底的に意識すること
SDGsの取り組みを検討する場合には、SDGs自体が、2030年に向けた目標であることを徹底的に意識しましょう。
くどいくらいに「2030年に向けて…」と繰り返し問いかけるのです。
SDGsが描く2030年のビジョンに、自社がどうコミットしていくのか?を考えていきます。
世界中が17個もある、様々なゴールに向けて活動しています。
そして、2030年までという長期スパンで考えているわけですから、現状の観点だけではどうしてもSDGsの持つ規模感とのギャップが生じてしまうのです。
なので、必ず2030年のビジョンを持つことが第一です。
バックキャスティング思考が基本
2030年に、自分たちがどうありたいか?をまず考えるというのは「バックキャスティング思考」という考え方です。
バックキャスティングとは、まず目標となる地点を設定し、そこから逆算して何をすべきかを考える方法です。
反対に、現状から積み上げていく考え方は「フォアキャスティング」と呼ばれます。
SDGsでは「バックキャスティング」が基本です。
そもそも、17のゴールがバックキャスティング的に考えられていますよね。
そのため、企業個別の目標も「バックキャスティング」で考える必要があるのです。
「2030年までに〇〇を達成する」という目標は、現状とのギャップが大きくて当たり前なので、この時点でウォッシュと言われることはありません。
条件は「本気」であること
闇雲に2030年の目標を立てれば良いというものではありません。
バックキャスティング思考の絶対条件として「本気であること」が上げられます。バックキャスティング思考はその特性上、高い目標を設定することが基本です。
しかし、「高いだけ」の目標では意味がありません。
例えば、皆さんの周りにも「今年は〇〇するぞ!」とお正月に立てた目標が1ヵ月と保たない人はいませんか?
1年という個人としては長いスパンで、かつ高い目標を掲げたということは、一種のバックキャスティングであると思います。
しかし、高すぎる目標をすぐに投げ出すというのは、そもそも目標設定の時点で本気ではなかった…現実逃避的な設定だったのではないかと思います。企業のSDGs活動も同様で、大きな目標を掲げたところで、本気度が伴わなければ現状の取り組み姿勢とのギャップが生じ、やはりマイナス評価に繋がります。
ともすれば高い目標は「広告的に掲げているだけ…」とみなされてしまうかもしれませんね。やはり、大前提「本気の取り組み姿勢」が必要です。
しかし、これが一番難しいかもしれませんね。
経営層から社員一人一人まで、SDGsに照らした自社の目標、戦略を理解して、文字通り一丸となって取り組まなければなりません。
社内での意識を統一していくことが、何よりも重要ですが、それ故に難易度が高いのです。
裏を返せば、会社全体がSDGsの必要性を理解し、腹落ちした状態になれば、自然と成功に向かっていくのではないでしょうか?