2020.09.07
マニフェストのE票に記載される「最終処分を行った場所」欄は、なかなか詳細にチェックされることがない項目です。あまり内容を確認したことはなく、「何かしら書いてあればOK」という人も、正直いるのではないでしょうか?
しかし、この部分は処理業者での認識違いによるミスが起こりやすい部分です。できるだけ内容まで確認するとともに、認識違いによるミスを発見できるよう、知識を備えておきましょう。
「最終処分なし」はあり?
認識違いによるミスというのは、処理工程が同じでも「どこを最終処分とするか?」を正しく把握できていないということです。
例えば、「最終処分なし」と書かれて返送されるE票があります。
最終処分がないということはあり得るのでしょうか?
又は、リサイクル処理が完了し、資源として売却する…という場合、その売却先を記載するパターンもあります。売却先は、必要な原料などを購入しただけなのですが、「産業廃棄物の最終処分先」になっていても良いのでしょうか?
実はどちらも、正しいE票の記載ではありません。ですが、こうした記載は「よくある」ことです。
ちなみに、電子マニフェストでも、最終処分先は中間処理業者が任意の内容で入力しますので、同様のミスが起こり得ます。
「最終処分」って結局どういうこと?
このようなミスは、「最終処分=埋立処分」という強い認識を持っている場合に起こります。
実は、「最終処分」というのは埋立のことだけではありません。廃棄物として取り扱っていたものが、例えばリサイクルして有価物になるなど、廃棄物としての扱いでなくなったことも最終処分に含まれます。
最終処分場所は「廃棄物を卒業する場所」と表現されることもあります。
その為、中間処理後、有価売却をしたのであれば、有価売却前の中間処理をした場所が最終処分場所になります。
ですが、有価売却先と記載したり、最終処分なしと記載したりすることは誤りなのですが、このような記載をする中間処理業者は実状としてとても多いです。まずは、返送されてきたマニフェストの記載内容を把握し、チェックするところから始めていきましょう。
「“最終”目的地」は?
ちなみに、過去にはこんな質問もありました。
「運搬契約書に記載される「運搬の最終目的地」は、最終処分場を書くのではないですか?」
確かに、「最終」という言葉がついていますが、ここでは最終処分場ではなく、中間処分場や積替え保管施設など、その運搬業者が直接運搬をする先を記載します。(直接運搬する先が最終処分先であるケースも、もちろんあります)
ここでの「最終」は、直接契約を結ぶ運搬業者の視点で、廃棄物を降ろす場所という意味です。同じ最終でも、記載されている場所によって意味が異なるので注意しましょう。