2016.03.08
「フロン漏えい量報告までに管理者がやるべき7つのこと」<前編> <後編>では、フロン排出抑制法で求められていることを一通り扱いました。今回は、さらに詳しく、行程管理票を始めとする廃棄時に管理者が求められている事に焦点を絞って解説していきます。
フロン機器廃棄の方法は2つ
廃棄時に引き渡す相手と方法は、大きく分けて以下の2種類です。
① フロンは直接回収を依頼し、機器本体は別業者に引き渡す場合
② 機器ごと取次ぎ業者に引き渡す場合
もう1つは、第一種フロン類引渡受託者(取次業者とも呼ばれる)に機器ごと引き渡してしまう方法です。解体業者や廃棄物処分業者、設備業者、リサイクル業者等などを指します。
機器とフロンをまとめてお任せしてしまう方法ですね。
行程管理票の取扱い
廃棄時に交付する書面の種類
廃棄時に交付する書面には、以下の種類があります。引渡受託者が複数者の場合にのみ、「再委託承諾書」が必要になります。書面の名称は、引き渡す相手によって異なりますが、記載内容と交付の流れはほぼ同じです。
第一種フロン類引渡受託者(取次業者)に依頼する場合・・・「委託確認書」を交付
行程管理票の流れ
、D票)」が加わります。積替保管用マニフェストのようなものです。
証明書の重要性
証明書が回付されなかったら?不備があったら?
管理者は、以下の場合には、都道府県知事に報告しなければなりません。
-
-
- ① 引き取り証明書が交付されない場合(フロン類の引渡から30日以内)
-
※建築物その他の工作物の全部又は一部を解体する建設工事の契約に伴い委託確認書を交付する
場合には、委託確認書の交付の日から 90 日以内。
-
- ② 引き取り証明書の記載事項に不備がある場合
-
- ③ 引き取り証明書に虚偽記載がある場合
報告は、回収依頼書又は委託確認書の写しを都道府県知事に提出することで行います。
まとめると以下の通りです。
見逃しがちな『再生証明書』『破壊証明書』
フロン類は回収後、再生もしくは破壊処理がされて、初めて廃棄の行程が全て終了したことになります。
回収業者と再生破壊業者の間では、『行程管理票』とは別の『再生・破壊管理票』のやり取りがされます。そして、再生・破壊が終了すると、管理者には『再生証明書』または『破壊証明書』が回付されます。
フロン回収終了時に『行程管理票』のE票が回付され、再生または破壊された際に『再生・破壊管理票』のZ票(破壊の場合はZ1票・再生の場合はZ2票)が回付されるということです。
この証明書、再生・破壊業者と回収業者は“写し”を3年間保存しなければなりません。しかし、管理者が受け取る原本には保存義務がありません。(少々疑問を感じますが…。)
その為、あまり目立たない再生・破壊証明書ですが、必ず回付されるはずなのでしっかりと受け取りましょう。
最終的に管理者の手元に残るのは、A票・E票・Z票です。
『回収証明書』が無いと機器を廃棄できない!?
回収業者に直接引き渡した場合、回収後の機器のみ手元に残ります。これを、リサイクル業者や処理業者に引き渡す時に、『回収証明書』の提示を求められる場合があります。フロン機器に関する規制が強化されていることによって、リサイクル業者、処理業者もより徹底していく傾向になると予想されるためです。
リサイクル業者・処理業者の立場として、もし未回収の機器を引き取ってしまい、通常の処理行程に載せて、フロンをみだり放出…。なんていう事態は、何としても避けたいでしょう。
もし「回収証明の写しをもらわないと引き取りません」という業者が出てきた場合、証明書の受取を忘れてしまったり、うっかりなくしてしまったりした機器に関しては、引き取ってもらえず行き場がなくなってしまいます。
フロン機器の廃棄方法についてご理解いただけたでしょうか?まだまだ定着しているとは言い難いフロン排出抑制法ですが、正しく理解して確実に運用していきましょう。
参考引用サイト:
<ahref=”http://www.env.go.jp/earth/ozone/cfc/law/kaisei_h27/%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8Dv1%EF%BC%88%E2%97%8B%E5%85%A8%E4%BD%93%EF%BC%89.pdf” target=”_blank” rel=”noopener”>環境省「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 (フロン排出抑制法)第一種特定製品の管理者等に関する運用の手引き 」(一財)日本冷媒・環境保全機構:フロン回収行程管理票のご案内